めまい・聴覚障害の基礎知識
2017年03月31日更新 2017年03月31日公開

めまい、聴覚障害が起こるメニエール病とは

難聴や耳鳴りと回転性のめまいをくり返す症状が特徴のメニエール病ですが、内耳の異常が引き起こす疾患だといわれています。ここでは、メニエール病の原因や症状、メカニズムについて、ドクター監修の記事でお届けします。

聴覚症状や回転性のめまいが長時間に渡りくり返し生じるメニエール病は、内耳の異常によって引き起こされる疾患です。メニエール病の症状や原因、メカニズムについて詳しく解説します。

メニエール病とは

メニエール病は、原因不明の回転性のめまいを長時間くり返し、耳鳴りや難聴、耳が詰まったような感覚が引き起こす疾患で、内耳の異常が原因のひとつだといわれています。脳障害が原因でめまいを引き起こすと考えられてきましたが、フランスのメニエールという内科医によって、内耳の障害がめまいの原因のひとつだということが報告されました。その業績にちなんで彼の名前をつけてメニエール病と呼ばれています。

メニエール病の症状

メニエール病には典型例と非典型があり、非典型は「蝸牛型メニエール病」と「前庭型メニエール病」に分れ、それぞれの症状には特徴があります。

典型例

メニエール病は、本来内耳に一定量に保たれているはずの内リンパ液が過剰に増えることによって、内リンパ水腫ができることで引き起こされます。最初は前触れなく突然激しい回転性のめまいが数分〜数時間にわたってくり返し起ります。同時に低音でザー、ゴー、ジーなどに聴こえる耳鳴りや低音が聞き取りづらい難聴、耳に何かが詰まったような感覚の耳閉塞感などが現れます。人によって、吐き気や嘔吐、顔面蒼白、冷や汗などが起るケースもあります。めまいが治まると同時に耳鳴りなどの聴覚の症状も治まってきますが、その後も発作がくり返し起こります。メニエール病の発作の頻度には規則性はなく、1年に数回や1か月に何度も起るなど個人差がありますが、耳鳴りなどの聴覚的な症状は発作と同時に発症します。また、片耳のみに聴覚症状がでる場合が多く、両耳に出る人は全体の30%程度です。

気をつけたいのはメニエール病の発作には、手足のしびれや意識を失う症状は見られません。このような症状がめまいや聴覚の異常と同時にでる場合には、メニエール病ではなく、脳出血や脳梗塞、脳腫瘍の疑いがありますので注意が必要です。

蝸牛型メニエール病(かぎゅうがた)

蝸牛型とは聴覚に関わるうずまき状の器官のことで、基底膜に振動として音を伝える機能があります。蝸牛型メニエール病の特徴は、めまいを生じることはなく耳鳴りや難聴、耳の閉塞感などの聴覚症状が発症します。内リンパ水腫が内耳全体に生じるのではなく、蝸牛で過剰となった内リンパ液によって、内リンパ水腫ができることで発症します。症状は典型例のメニエール病と聴覚症状のみ同じです。しかし、発作をくり返すうちに悪化してめまいをともなう典型例へと移行する可能性があり、約80%程度といわれています。

前庭型メニエール病

前庭型メニエール病の主な症状はめまいで、耳鳴りなどの聴覚症状は起きないとされています。もともと難聴がある場合にも、めまいの発作と聴覚症状は連動しません。蝸牛型メニエール病と違って、前庭型メニエール病から典型例のメニエール病に移行することは、20%程度です。

メニエール病を発症する原因とメカニズム

耳の構造とは外から外耳・中耳・内耳となっていますが、中耳の異常が原因となりメニエール病が発症します。蝸牛は内耳にある聴覚をつかさどる器官であり、前庭は平衡感覚に関わる器官です。直接のメニエール病の原因として、本来は一定に保たれている内リンパ液が過剰に増えて、蝸牛や前庭に内リンパ腫が生じることが起因となります。内リンパ水腫により、蝸牛・前庭・三半規管が異常をきたし耳鳴りや難聴、耳に何かが詰まったような聴覚症状と同時に回転性のめまいが起こるのです。

内リンパ液が過剰になり内リンパ水腫となる原因は、生成される内リンパ液と吸収される量のバランスが崩れることで起こるとされていますが、はっきりとは判明していないようです。推測の域を超えませんが、アレルギー反応や内耳の循環障害、ウイルス感染、遺伝子異常などの諸説があります。また、有力視されているものにストレスホルモンが影響しているという説があります。

ストレスホルモン説

ストレスホルモンのひとつの抗利尿ホルモンがストレスや脱水で過剰に分泌されることで、内リンパも過剰に生成されるという説です。ストレスが関係しているという説もありますが、ストレスや睡眠不足、疲労などによってホルモンバランスが崩れ、自律神経障害を発症するというものです。

内リンパ水腫による原因

内リンパ水腫が起因のめまいや耳鳴り、難聴が生じる原因には内リンパ圧亢進説(うちりんぱあつこうしんせつ)とリンパ水腫破裂説があります。

  • 内リンパ圧亢進説(うちりんぱあつこうしんせつ)

内リンパ水腫が蝸牛で起ることで、ライスネル膜と呼ばれる内リンパと外リンパを仕切っている膜が伸び、圧力がかかることによって内耳の機能に異常がみられるという説です。

  • リンパ水腫破裂説

圧力の影響でライスネル膜が破れてカリウムイオン濃度の高い内リンパが流れ出すことによって、蝸牛神経が影響を受けるという説です。

めまいを長時間くり返し起こったり、耳鳴りや難聴などの聴覚症状をともなったりする場合は、耳鼻科を受診して検査を受けてみた方がよいでしょう。

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